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 2.交換協定書
(1)交換協定書
 「交換協定書」(Interchange Agreements for Electronic Data Interchange ) は、EDI(電子デ−タ交換)取引を行う当事者の合意に基づいて作成される協定書で、電子メッセ−ジの電送、受信、保存等に関する取引当事者の役割、法的責任等が詳細に規定されたものである。
(注)EDI
EDI(電子デ−タ交換)とは、トランザクション・デ−タまたはメッセ−ジ・デ−タを構造化するために合意した標準を使用してコンピュ−タ間で行われる商取引または行政手続に関する電子的電送(electronic transfer)である。
(2)EDI取引の進展と交換協定書の制定
 コンピュ−タ利用の進展に伴い、EDIは国際貿易においても効果的なビジネス・ツ−ルとして急速に発展し、商取引や行政手続での使用が定着しつつある。
 EDI取引においては、現行の書類をベ−スとした国際取引が電子的手段に代替され、手書き署名のあるオリジナルの書類を送付する代わりに、構造化されたビジネス・デ−タが、一のコンピュ−タ・システムから他のコンピュ−タ・システムへ、電子的手段により電送されることになる。そして、署名も電子的手段によるものとなる。
 ところで、国際貿易に関する多くの国の法制は、EDIの使用を前提としていない(予想していない)ため、電子メッセ−ジがペ−パ−・ドキュメントと同様の機能を有することを法的に容認する範囲は、各国の法制度において大きな差異がみられる。
 つまり、EDI取引においては、現行の書類をベ−スとした法体系がそのままでは適用できなくなるという問題が生じることになる。
 このような問題の解決を図るために、各国のEDI協会や弁護士協会などにより、数多くの国内用あるいは地域用のモデル交換協定書の開発が行われているほか、UNCITRAL(国際商取引法委員会)により、EDI取引をグロ−バルな形で律するリ−ガル・ル−ル(UNCITRAL Model Law on Electronic Commerce)制定への取組が進められている。
 協定書による問題解決は、注釈書でコメントしているように、『「協定書」は、適用可能な国内法令に従うことを条件として(第7.1 条)、EDI通信が法的拘束力をもつこと

 

 

 

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